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千年唯一の魔法使いの街娘視点。
何かがいろいろおかしくなったww

またもや振り仮名なしでしかも読み方は確実に違う読み方です←

千年~はリンレンともにact1でしたが調声が・が・が・・・



追記に設定小説あり。
動画よりレンリン要素が若干多いです。
 「此処は・・・どこ?」
小さな少女は今にも泣き出しそうな顔で呟いた。どうやって来たのかも、帰る道もなにもわからない。唯一わかるのは日の光も届かないほど生茂った森の中だということ。その暗さが少女の不安を増幅させる。しかし、此処で立ち止まっていても出口が見つかるはずがない。意を決して一歩踏み出そうとしたとき、少女の背後でパキッという乾いた音がした。
 「いやぁぁぁああああ!!!」
何がなんだかわからないまま、少女は森の中を走り出した。聞こえるのは少女自身の叫び声とうるさく動く心臓の音だけだった。嫌だ、来ないで、助けて!叫びながら走る少女だったが、木の根に足を引っ掛けてそのまま前へと倒れた。急いで立ち上がろうとしたのだが痛みで立ち上がることが出来なかった。痛む方を見ると、膝から血が出ていた。どうしようかと悩んでいるうちに何かが向かってくる音が聞こえる。少女は痛みと怖さで完全に動くことができなくなった。
 あぁ、私きっと食べられちゃうんだ・・・そう思った瞬間叫んでいた。
 「私おいしくないから食べないで!!!!」
目をつぶっていた少女だったが想像していたような痛みも何も感じない。
 「大丈夫、キミを食べたりなんかしないよ。だから、目を開けて?」
優しい声に恐る恐る目を開けると自分と同じくらいの小さな男の子がいた。森の暗さで顔ははっきりと見えないが優しいオーラを出している。・・・様な気がする。そして、ふと頭によぎった言葉があった。
 「王子様・・・?」
 「え?」
少年に聞き返されて少女ははっとした。考えていたことがそのまま口に出てしまっていたらしい。一気に顔が熱くなり下を向いたがもう遅い。少年にはしっかりと赤くなった顔を見られてしまった。
恥ずかしくて下を向いていると少年が優しく話し始めた。
 「王子様・・・じゃないけど街まで送っていってあげる。僕この森に結構詳しいんだ」
顔を上げると目の前には少年の笑顔があった。暗い森でも気分が明るくなれる。そんな素敵な笑顔だった。
 「でも、私・・・さっき足を怪我して・・・」
 「あ、ホントだ・・・でも、大丈夫僕が治してあげるから」
疑問を持ちながら待っていると翳された少年の手が光りだんだんと傷が治っていく。少女は直ぐに気がついた。この少年が魔法使いであるということに。
 「よし!終わり」
少年がそういったときには傷も痛みもなくなっていた。その後は、少年が森の出口まで送ってくれた。大した話もしてないが、少女を気遣いながら歩いてくれたそれだけで少年の優しさがわかった。街に向かって数歩歩いたところで少女は振り返った。
 「やっぱり、あなたは私の王子様よ。傷も治してくれたし街にも送ってくれたもの」
 「でも、僕は魔法使いだよ」
 「それじゃぁ・・・」
少年が目を丸くしている間に少女は指切りをしてそのまま街へと駆けていった。小指を見つめたままの少年の顔が赤くなっているのを少女は知らない。

 「約束ね!私だけには王子様になって。魔法で私を助けてくれる王子様。私だけの王子様」




気がつくと目の前には真っ白な天上が見える。あぁ、夢か・・・。懐かしい夢を見たなぁ。そう思いながら少女は小指を見つめた。
あの約束から何年のときが過ぎただろうか。あれ以来、森には足を踏み入れていないため、あの少年には会っていない。そもそも、小さいときの、物心付くか付かないかの時の一方的な約束自体、もう相手は覚えていないだろう。当時の自分はなんて積極的だったのだろうと苦笑した。
ゆっくりとベッドから降り、身支度をして向かうのは隣の母親の部屋。あの約束の日に少女が家に着いたとき、母親は床に倒れていた。それから今日までずっと寝たきりの生活が続いている。本当は月一回くらい医者に見てもらうべきなのだが、少女の家はお金がなく年一回くらいしか医者に見てもらえない。そんな状態なため今年一年持たないだろうといわれている。その事実を知っているのは医者と少女の二人だけだ。
「母さん。おはよう」
出来るだけ笑顔で近づく。
「リン・・・貴女は自由に生きなさい。私はもう、先が長くないからね」
「なに、言ってるのよ。よくなるから大丈夫だって」
そう、言ったが少女の、リンの母親は既に気づいていた。自分がもう長くはもたないということを。リンが精一杯話を逸らそうと考えていると、急に静かになったような気がした。いや、何も変わっていないのかも知れないがリン自身はそう感じた。背中に寒気を感じ嫌な汗が出る。目の前で横になっている母親の顔に触れたとき彼女はその場に崩れ落ちた。
 リンには父親はいなかった。彼女が生まれる前にこの世から去ったと聞いていた。親戚もまったくいなかった彼女は小さい頃から母親と二人で暮らしだった。小さいときから寝たきりの母親だったが、辛いときには励ましてくれる。心の支えになっていた。そんな母親を彼女は失った。彼女の13歳の誕生日に・・・


母親が亡くなってから丁度、一月経った頃。リンは森の中にいた。小さい頃に来たときと違うのは、そこら中にモンスターがいるということ。彼女は今、モンスターに囲まれて、少しでも動いたら一斉に飛び掛ってきそうな状態。
もう、どうでもいい・・・それがリンの本音だった。天涯孤独となった彼女は街で暮らすだけの生活力も持っていなかった。そのため、もう既に帰る所もありはしなかった。
ゆっくり目を閉じ、リンは一歩前へ出た。それを合図にするかのようにモンスターたちは一斉に彼女に飛び掛ってきた。が、次の瞬間、その魔物たちは一匹残らず地面に叩き落されていた。
「あんた・・・死にたいの?」
声がした方向を見ると、金髪の少年が立っていた。
少し長めの金髪は頭の後ろで結ばれていて、目は若干つり目。背丈はリンと変わらない。黒いローブで身を包んでいる少年はあの約束をした少年に間違いないと彼女は思った。しかし、纏っているオーラがあの頃とは別人のようだった。リンを見る目は細く冷たく、誰も近づけさせない重い空気を纏っていた。
「彼方・・・レン?」
あの時、教えてもらった名前を彼女は呼んだ。この少年がレンであって欲しいような、あって欲しくないような曖昧な感覚を持ったまま。彼は一瞬驚いた顔をしていたが直ぐに冷たい表情に戻り口を開いた。
 「今や、誰もが知ってるってか・・・あぁ、そうだ。レンは俺だ。で、この疫病神に何のよう?」
レンの口は笑っているのに、目は冷たい目のまま一瞬たりとも動かなかった。

 森の疫病神。それを知らない街の人はいないと言って良いほど誰もが知っていること。森の中にいる魔法使いレンの呼び名である。魔法使いの家系であっても大人になるまで大した能力はないはずなのだが、彼は13歳の今、既に世界に匹敵する強さを持っている。その魔力も桁違い。そんな彼の唯一の欠点は・・・攻撃魔法しか使えないこと。防御、回復、その他諸々の補助魔法。何一つ使えない攻撃的で冷酷な魔法使い。いつか街に攻撃をしてくる。国をのっとるつもりじゃないか。と言う噂まで出ている。しかし、リンは信じていなかった。レンは優しいし、回復魔法だって使える。そう、ずっと思っていた。いや、今も思っている。けれど、目の前の彼は・・・。誰も寄せ付けないような冷たい目をしている。彼女は初めて彼を怖いと思った。そして、一歩身を引いたとき足に痛んだ。
 「っ・・・」
さっきのモンスターにやられたのかそれともどこかにぶつけたのか、足から血が出ていた。怪我してる。と思っただけでどんどん痛みが強くなってきた。
 「・・・ったく、ほら」
そう言って、レンは背中を向けてしゃがんだ。これって・・・乗れってこと?
 「足痛いんだろ・・・早くしないとおいてくぞ」
流石に此処にひとりで置いていかれても困る。そう思ったリンはレン背に身を預けた。同じくらいの身長で、細い体なのに軽々と彼女を背負っている。ローブ越しに伝わる温もりが気持ちよく、リンはそのまま眠りに落ちていった。
 

気がついたらベッドの中にいた。しかし、そこは自分のベッドではなく見知らぬベッドの中。起き上がりベッドから降りようとしたとき足に包帯が巻かれていることに気がついた。そこで、やっと思い出した。レンに助けられ、運ばれてきたことを。窓からは森の木々が見える。どうやらこの家は森の中にあるらしい。とりあえず、お礼を言おうとレンを探すために彼女は部屋を出た。目の前の螺旋階段を下りて、ソファに自分と同じ黄色い頭を見つけて近づくとスースーと規則正しい呼吸が聞こえる。開いた本を片手に持ったまま寝ていた。座ったままの体勢のためそのまま横に倒れてしまいそうだと思った彼女は隣に座り、起こさないようにそっと身体を動かして膝に寝かせた。眠り続ける彼の顔は13歳という歳相応の子どもっぽさをしていた。森であったときの冷たさや重い空気は何一つ感じられなかった。暇つぶしにレンが持っていた本を読んでいたリンが、ウトウトし始めた頃にレンは目を覚ました。
 「目、覚めた?」
 「あ、あぁ・・・」
まだ、完全に目が覚めてないのかレンはリンの顔をボーっと眺めていた。そして、だんだん目つきが険しくなり、苦虫を潰したような顔になった。
 「あんた・・・何してんの」
棘のある冷たい声が静かな部屋に響いた。リンが答えに詰まっている間に身体を起こしてそのまま彼女を無視するかのように前を通っていった。その彼をリンは反射的に呼び止めた。
 「あの・・・怪我の手当て・・・ありがとう」
 「別に・・・」
 「レンは・・・」
 「目玉焼きとスクランブルエッグ」
小さいときのことを聞いて見ようとしたらいきなりの言葉に思考が止まった。レンは冷たい眼差しのままリンを見ている。早くしろと言わんばかりの空気に思わず、スクランブルエッグと答えていた。
数分後、目の前のテーブルにスクランブルエッグとサラダの乗った皿、それにパンと牛乳が2セットずつ置かれた。驚いて顔を上げると隣ではレンが既に食べ始めていた。
 「これ・・・」
 「いらなきゃ置いとけ」
レンのその言葉に、小さな声でありがとうと言って目の前の食事を食べた。その後、レンに送られて街まで帰ったリンだったが、翌日、レンが夜遅くに家に帰ると夕食の準備がされていて、テーブルに伏せて寝ているリンがいた。と言うことが何日か続き、街には「リンを攫った魔法使い」という噂も広まっていた。レンは諦めたか何も言わず、リンを無理に追い返そうとはしなかった。

 「レン、夕飯だよ」
 「今、行く」
奇妙な生活(と言う名の半同棲)を始めてから1年が経った。数ヶ月経ったころからあの冷たい眼差しのレンはいなくなり、優しい眼差しと温もりをくれるようになった。そして、知った事実があった。噂どおり回復魔法が使えないこと、小さい頃の記憶が部分的にないこと。彼もリンと同じく両親や親戚がいなかった。そのため独りで此処に住んでいたという。
 「ねぇ、レン。明日の昼ごろ街に買出しに行こうと思うの」
 「わかったよ。街まで送ってやるよ」
この家に住み始めたときはそうでもなかったが、半年前から森でモンスターに会うことが多くなった。どうやら数が増えたらしく、レンがいないとリンは街まで行くことも出来なくなった。だから、街に行くときにはこうやってレンに声をかける。
 食事の後は、ソファでくつろぐのが二人の日課だった。顔を見合わせ、どちらからともなくキスをする。腕を引かれリンはレンの腕の中にすっぽりと納まる。そして、その温もりにいつも安心をする。が、それだけではない。
 「どうしたの?」
こういうときのレンはいつも以上に優しい。それでいて、いつも以上に勘が鋭い。レンの言葉の返事の変わりにリンは彼の背中に腕をまわした。手に触れる感触、温もり、心臓の音それらがレンの存在していることを証明している。このまま、幸せになれたら辛いことはないのだろうか・・・。リンの心はいつも不安を抱えていた。もし、レンがいなくなってしまったら・・・。
 「時間が、止まってしまえば良いのに・・・」

 翌日、二人は街に出た。といっても、レンは街には行かず森の出口で待っている。歩くたびに向けられる視線に耐えるのは少しばかり疲れるから。それでも、始めの頃に比べるとマシになってきたほうではあった。街に来るリンがあまりにも幸せそうな顔をしているのを見て徐々に噂をする人が減ってきたからだ。
 「あ、リンちゃん」
 「ミクちゃん」
買い物の途中でリンは友達に話しかけられた。緑の長いツインテールの少女ミク。彼女は街で唯一の古い預言書の解読者である。リンよりか2歳年上だがその頭脳は大人を越えるほどの持ち主だ。世間話をしているとミクは急に小声になりリンだけに聞こえるように話し始めた。
 「昔の預言が当たっているみたいなの。今、街は原因不明の病が流行っているの。ただの風邪みたいに熱が出るんだけど、直ぐに全身が痺れるんだって。治療に大金が必要だってことで争いが起こっているの。でも、実のところあの有名な治癒魔法使いのルカって人でも治せないって言ってるの。今のところ治療の方法がないみたい。リンちゃんも気をつけてね。帰りは待ちの南側を通った方がいいわ。あっちの方はまだ感染者が出ていないから」
 「ミクちゃん・・・ありがとう」
ミクと別れて、街の南を通ってレンの待つ場所に向かった。少しミクとの話が長引いたので小走りで戻ったリンの顔はほんのり赤くなっていた。
 その夜、ミクから聞いたことが不安になり全てレンに話した。途中泣き出してしまったが、レンになだめられそのまま眠りに落ちていった。
 
 朝、一番最初に思ったのは、だるい。と言うことだった。起き上がっても頭はボーっとしているような感覚でまるで熱でも出たかのよう。と、そこまで考えてリンはハッとした。まさか、昨日ミクが言っていたものだろうか。しかし、まだそうと決まったわけでもない。リンは様子を見ようと1階にを降りた。
 「リン、当分街には連れてかないからな」
レンに会って直ぐに言われた。確かに、街は既に危ないからそれが懸命だと思った。そして、何かあったら言うようにとも言われたが朝のだるさはなかったことにした。余計な心配をかけたくなかったからだ。そして、そのまま一日を終えた。だるさと共に。
 しかし、次の日になってもだるさは無くならなかった。寧ろ、悪化してるように思えた。レンに言おうか悩んでいるうちに夜になってしまった。そして、次の朝が来る少し前に目が覚めた。身体中熱がこもり、全身の感覚が麻痺してる。感染した。が、幸いまだ朝は来ていない。このまま家を出ればレンにうつさなくてすむ。感覚のない足で立ち上がり、音を立てないように1階に降りる。ソファで寝ているレンの横を通った瞬間身体中の力が抜け床に倒れた。その音にレンは飛び起きた。
 「お前・・・何して、って感染してるじゃないか!!何で今まで黙ってたんだ!!」
此処まで感情的になるレンは初めて見た。落ち着かせるために心配かけさせないように気がついたら辛いのに笑っていた。いや、リンは笑っているつもりだったがそれは笑顔とは呼べないものだった。だんだん身体が冷たくなるのを感じていたら、温かいものに包まれた。レンの腕の中。顔を見ると
レンの頬には涙の後がある。初めて見たレンの涙にリンは考える前に言葉を発していた。
 「泣か、ないで・・・ね?」
そっと頬に手をあてたリンは視界の端に違和感を感じ、無理矢理首を動かしそれを見た。レンを捕らえるように無数の鎖が絡みついていた。重たい、嫌な感じがするそれを見てふと思い出したのは初めて家に来ていた日にレンが呼んでいた本だ。あの時は暇つぶしに読んでいたが、アレから時間をかけてついこの間読みきった。専門用語が多くて理解できなかった部分も合ったが、コレは闇魔法だ。何故こんなものがレンにかけられているかはわからない。でも、これがレンにとって良くないものであるのはわかる。その時ふと頭に浮かんだ。

【コレがなければ何とかなる】

気がついたときには鎖に指が触れていた。その瞬間、触れたとこからヒビが入り始めた。
「大丈夫・・・貴方は、最強の、魔法使い・・・だって、ほら・・・約束、私だけの王子様」
そういって小指を見せたときレンに絡み付いていた鎖が砕けた。そして、目の前が真っ白になった。暫くしてリンが目を開けると安心した顔のレンがいて身体のだるさもなくなっていた。
 「あんな一方的なの・・・約束っていわないよ」
そういって微笑むレンはやっぱり王子様だった。
 「思い出したの?」
 「たった今・・・ね」
そういって抱きしめてくれるレンは温かかった。そして、リンは同じくらい温かい彼の魔法に再び救われたのだった。
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